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鉄道旅行なび流〜写真の撮り方講座 
−貴重な旅の想い出をより効果的に−

  旅の必須アイテム「写真」。最近では、薄型のコンパクトデジタルカメラやカメラつきケータイなどの普及によって、「写真撮影」がより身近になりました。しかし、「連続した時間を切り取って、その瞬間の人間の表情や風景を保存する」という根本的な機能は、たとえ、機材がインスタントカメラであれ、ケータイであれ、高級一眼レフであれ、なんら変わることはありません。効果的な写真の撮り方は、昔も今も、そして未来も共通したテクニックなのです。

 なお、本稿はあくまでも、鉄道旅行全体のストーリーを記録するための、より効果的なカメラ利用術について述べるものです。鉄道車両や列車そのものを撮るテクニック、いわゆる「撮り鉄」の解説ではありませんので、悪しからずご了承ください。

出発前に

きっぷ類やクーポン類の写真を撮っておこう

 旅に出るときは、さまざまな携行品を用意します。ガイドブック、地図、衣類、洗面具、そして女性ならば化粧品・・・。それと、交通機関のきっぷや乗車票、宿泊先のクーポンがなければ、旅そのものが成り立ちません。ところが、これらの根幹ともいうべき存在は、旅先で回収される場合が多いのです。手元に残れば、貴重な想い出の品になるべきものなのになんとも残念なことか・・・。

 そこで、鉄道旅行なび では、回収されてしまう可能性が高いチケット類の事前撮影をおすすめします。チケットを撮影する時のコツは、まず文字にピントが合っていること。当たり前のようですが、小さなチケットの複写は意外と難しいものです。最近のデジタルカメラは、小型のものでも接写モード(機種によってはチューリップのアイコンなどがついています)がついていますから、これを使うと良いでしょう。

ツアーのクーポン
チケットの撮影は、光の当て方がカギ
 カメラに付属しているストロボを使用した撮影は確実に写りますが、接写でストロボを使用すると、表面が光って文字が見えなくなってしまうことがあります。そのような時は少しだけカメラを斜めの角度に構えて、ストロボの光がチケットの表面で反射した後、向こう側に逃げるように、反射した光が真っ直ぐカメラのレンズの方向に戻ってこないようにします。


 あるいは太陽光の当たる明るいところで撮影するのも失敗のない方法です。 ストロボを使う時のテクニックの一つに、発光部にガーゼなどを当てて光を弱くする(ディフューズするとも言います)方法があります。プロはストロボを使用する時に、なんだかの方法でディフューズをした上でストロボを使っています。チケットを撮影する時も、手元にハンカチやガーゼなどがあるのであれば、この方法を試してみるのも良いでしょう。

 いずれにしても、デジタルカメラでは、撮影をしたその場で写真の仕上がりを確認できるという、フィルムカメラにはない、大きなアドバンテージがあります。もし、画像を確認して、気に入ったものとなっていない時は、光の状態を何種類も変えてみて、気に入ったものを見つけると良いでしょう。そして、アルバムに整理するときは、旅程とともにトップページのタイトルの次に貼りましょう。


出発時に自宅をバックに記念撮影

自宅をバックに出発の様子を撮ろう

 楽しい旅の出発が近づくと、期待が高まり、気分も高揚し、ワクワク感が増幅されてきます。そして、首を長くして待ちに待った出発当日。楽しみにしていた瞬間がやってきたとき、人の表情は限りなく美しく輝くものです。その瞬間をぜひとも逃さず撮りましょう。

 ところで、記念撮影をするとなると、どうしても正面を向いた直立不動のポーズを取ってしまう人が多いのではないでしょうか。せいぜい、ピースサインをしながら「チーズ」と叫ぶ程度で・・・(笑)。しかしこれでは、説明がなければ、いつの写真なのかわからない平凡な画面になってしまいます。

出発時の写真
ちょっとしたポーズを取ることで臨場感が倍増!
 そこで、鉄道旅行なび では、「旅立ちならでは」のポーズを取ることをおすすめします。たとえば、右の写真からは、「行ってきまぁ〜す」という声が聞こえてきそうな気がしませんか?これはほんの一例です。皆さま方の工夫とセンスでぜひ、躍動感あふれる、表情豊かな写真を撮っていただきたいと願います。きっと後々まで素晴らしい記念として残ることでしょう。

乗る列車をバックに記念撮影

車両のシンボルと人物をアップで撮ろう

 鉄道旅行で利用する列車は、日常的に使う機会などほとんどない場合が多いのではないでしょうか。これも良い記念になりますので、一枚撮りましょう。実際、上野駅や大阪駅では、「カシオペア」「トワイライトエクスプレス」などをバックに記念撮影する人たちの姿をよく見かけます。

乗る列車をバックに記念撮影
写真の主役は列車とワタシ
 このときの鉄道旅行なび からのアドバイスは、「強調したいものをアップで撮る」こと。それでは、乗る列車をバックにした写真で強調したいことを考えてみましょう。「ワタシ、△△ へ行くとき、○○っていう列車に乗ったんだヨ・・・」ということに尽きるのではないでしょうか。

 ということは、被写体の主役は、○○っていう列車とワタシになります。一般的に、列車をバックに記念撮影しようとすると、車両全体と人物全身を収めようとしてしまいますが、どちらも画面上では小さくなってしまい、結果、インパクトが弱いものになりがちです。車両全体が入らねばならないのは、鉄道愛好家の「車両写真」。そうでない場合は、車両にペイントされている個別のロゴ、あるいはヘッドマークをバックに、人物の顔をできるだけズームアップして撮るのがコツです。

車両全体と人物全身を収めようとするよりも…   ⇒  車両のロゴと人物の顔をアップで撮ろう!
車両全体と人物全身を収めようとするよりも…   車両のロゴと人物の顔をアップで撮ろう!

乗る列車の車中で

車内での様子を撮影しよう

乗る列車の車中で
シックなシートとしゃれたカーテン。
乗っているときは意外と気付かないもの
 目的地へ向かう道中も旅行の一部です。鉄道旅行の場合、航空機に比べてその部分はより一層重要な要素になります。車中での様子もぜひカメラに収めましょう。あとから、あのときどんな音楽を聴きながら過ごしていたとか、どんな本を読んで無聊をなぐさめていたとか、その時々の思い出が鮮明に甦ることでしょう。

 また、その時は気付かなかった列車のカーテンやシートの柄とか、荷物棚の形状など、何気ないものにも目を惹かれるかもしれません。それと、車内で飲んだり食べたりしたものも撮っておけば、あとから良い記念になることでしょう。

 ところで、食べ物をうまく撮るコツというのもあります。これは、「旅の楽しみ、食を撮ろう」の項で詳しく説明しましょう。

目的地の駅名標、駅舎をバックに

目的地の駅名標、駅舎をバックに記念撮影しよう

 いよいよ目的地に到着しました。これまでの道中が旅の「序章」であれば、鉄道旅行の場合、ここからが「本章」に入るわけです。記念すべき「本章」の始まりを撮りましょう。

目的地の駅名標、駅舎をバックに記念撮影しよう
  駅名標、駅舎をバックに撮影をする時は、
できるだけ順光で
 駅名標、駅舎をバックに撮影をする時のコツは、まず光の状態を確認すること。つまり、逆光では撮影しない。光の向きが良い、いわゆる順光で撮影することがいちばんの基本となります。プロはこれを逆手にとって、あえて半逆光での撮影をすることもありますが、この方法で撮影をするには、それなりの経験とテクニックが必要になります(とは言っても、さほど難しい訳ではありませんので、そのノウハウもいずれこのページで紹介してまいります)。

 もし駅舎や駅名標が逆光の場所に建っているのであれば、少し場所を変えて光線状態が良い所を探すか、駅名標であれば反対側のホームまで行ってそこで撮影をするか。あるいは駅で降りた後にどこか行楽地に向い、その後に同じ駅に帰って来るのであれば、帰路に撮影をするというのだって、一つの良い方法です。太陽の向きというものは、30分過ぎただけでも、ずいぶんと角度が変わるものです。

 それから、これらのものをバックに撮影する時の簡単なコツを少し。カメラマンはカメラを構えたら、中腰になったり、しゃがんだり、あるいは被写体に近づいたり、離れたりと、色々とアングルを探してみてください。

目的地の駅名標、駅舎をバックに記念撮影しよう   目的地の駅名標、駅舎をバックに記念撮影しよう
立って撮ると…   平凡な画像になりがちだが…
目的地の駅名標、駅舎をバックに記念撮影しよう 目的地の駅名標、駅舎をバックに記念撮影しよう
少し近寄って、しゃがんで撮ると…   駅舎を出た瞬間!という雰囲気に

旅先の風景、宿泊先をバックに

風景写真をうまく撮るコツ

風景写真をうまく撮るコツ
せっかくの美しい湘南の海も、
背景にダンプが通ると台無し
風景写真をうまく撮るコツ
慌てずに周りの状況を確認してから
シャッターを押そう
 旅先で出会った美しい風景を撮影して、感動を記録する。このような写真の撮影は様々な撮影の中でも、もっとも楽しみの多い、写真の「撮り甲斐がある」ものの一つです。目的地に着いたならば、さっそくカメラを風景に向けてみましょう。

 それでは、風景写真を撮る時に気をつけておくと良いこととは何でしょう?

 まず、「慌てない」ということでしょうか。旅先で出会った風景に感動して写真を撮り、家に帰って写真を見ると、その時の感動が伝わってこないということは、実はよくあることです。何故その時の感動が写っていないのかと言えば、多くの場合、被写体が小さくしか写っていないということが理由となっています。その場にいると、雰囲気に騙されて…とでも言うのでしょうか、どのような撮り方をしてもきれいな写真になるような気がする。けれども一度その場を離れて冷静になると、そうは感じないのですね。

 それからもう一つ、人間の目というのは、実はカメラで言うところの中望遠レンズくらいの画角で物を見ていると言われます。写真を撮る時には、その被写体、例えば水平線に沈む夕陽などを注視しているので気がつかないけれど、後になって見ると、回りに余計な電柱などが写っていたというのが失敗の一例でしょうか。

目的地の駅名標、駅舎をバックに記念撮影しよう   目的地の駅名標、駅舎をバックに記念撮影しよう
漫然と画面中央に看板を据えるよりも…   強調したい看板に近づいてみよう。
アングルに工夫を凝らすだけで、
奥行きがこれだけ変わる!
目的地の駅名標、駅舎をバックに記念撮影しよう 目的地の駅名標、駅舎をバックに記念撮影しよう
道端にひっそり存在するお地蔵さんも…   グッと近寄って撮ると、大きな存在に!

ですから、風景写真のコツの一つは、落ち着いて風景を眺めて、その風景が美しいという理由がどこにあるのかを見極めて、その部分を強調できるような撮影を心がけることになります。美しい夕陽を撮るのであれば、ただし太陽だけを撮っても天体観測の写真のようになってしまいますから、手前にシルエットの葉影か何かを入れてそれだけで画面を構成するようにする。そういう具合いに、シンプルに、けれども美しく画面を構成することを考えながら写真を撮るようにしましょう。

 もちろん、他にもコツはたくさんあります。それもまた、追ってこのコーナーで紹介してまいります。

風景写真をうまく撮るコツ   ⇒  風景写真をうまく撮るコツ
旅先の目抜き通りで記念撮影。でも、これ
では近所の商店街と見分けがつかないが…
  望遠レンズを使って撮ると活気あふれた
目抜き通りに大変身!

食べたものを撮る

旅の楽しみ、食を撮ろう

 旅先で食べ物の写真を撮る。いわゆるインスタントカメラ、ポラロイドカメラや、あるいはデジタルカメラが普及したことで、写真の撮影が簡単になり、旅先で出会った食べ物の写真を撮影することも多くなったのではないでしょうか。

旅の楽しみ、食を撮ろう
ありふれたサンドイッチでも
旅の想い出のひとコマ
 食べ物の写真をきれいに撮るコツというのは何なのでしょう?写真の基本である、ピント、光の当て方、構図などにカギがあることは間違いのないところです。

 それでは、それぞれのコツとは何か?

 まずピント。カメラには被写界深度というものがあります。言葉は難しいのですが、要は「被写体の前後にピントが合う範囲」のことです。例えば写したい料理があったとして、被写界深度が深ければ(ピントが合う範囲が広ければ)、料理の手前にある箸やナイフ、フォーク、あるいは料理の向こう側にある例えば塩、コショウの容器にまでピントが合う。逆に被写界深度が浅ければ、ピントが合う範囲が狭くなり、箸や、コショウの容器はピントがぼけるということになります。

 人間の目というものは、基本的に見たものにはすべてピントが合っているわけですから、やはり1枚の写真の中でピントが合っている範囲が広い方が自然に見える、ストレスが少ないわけです(この応用として、逆にピントが合う範囲を狭くして、その場のムーディな雰囲気を演出する、という方法もありますが)。

 被写界深度を深くするにはレンズを絞る、つまり絞り値がついているカメラであれば、f4、5.6ではなく、f11、f16といった絞りを採用することになるわけですが、これはマニュアル撮影ができるカメラでの話。まず最初のコツとしては、「被写界深度は手前側に浅く、奧に深い」ということを覚えておいてください。つまり、等距離であれば、ピントを料理に合わせると、箸にはピントが来ないが、コショウにはピントが来るということです。逆に人間の目というのは、写真を見ていて、手前のボケにはストレスを感じやすいが、奧のボケにはストレスを感じにくいという傾向があります。
旅の楽しみ、食を撮ろう
作例1 :薄暗い中でストロボで撮った釜飯

 そこでコツ。料理の写真を撮るときに、写真には被写界深度というものがあること。少し手前目にピントを合わせると良いという2点を覚えておきましょう。料理の写真を撮るのであれば、料理が乗った皿の手前側にピントを合わせるつもりで写真を撮るということです。

 言葉で書くと難しいのですが、読んでいてピンと来たでしょうか?これも要は、場数をこなして慣れるということなのですが。

 長くなりましたが、次は光の当て方について。いちばん簡単なのは、カメラに付属しているストロボで撮影することでしょう。けれどもこれは失敗しないかわりに、面白みもない写真になることが多いものです。

旅の楽しみ、食を撮ろう
作例2 :窓から入る光を利用して撮ったみそかつ弁当。陰影がつくことにより、立体感が表現される
 作例の1は、薄暗い中でストロボで撮った例。美味しいことで有名な「峠の釜飯」ですが、光の当て方としては工夫がありません。

 それに対して、作例の2は近鉄電車の中で撮影した駅弁の写真です。この写真で工夫したのは、駅弁を車両の窓側に置いて、窓から入る光を利用して写真を撮ったこと。こちらの方が、写真としては、美味しそうに見える写真になりました。


 食べ物の写真を撮るときのコツは、光を半逆光で当てること。駅に貼られているポスターや、雑誌に発表されている写真で、もし料理の写真があったらじっと見つめてみてください。腕の良いプロが撮った写真であれば、きっと手前から当てるメインライトの他に、アクセントライトとして、半逆光の光が入っているはずです。駅弁の写真を撮る時も、そんな写真を真似してみましょう。写真の腕が上達します。

旅の楽しみ、食を撮ろう
作例3 : 木のベンチに置いて撮った押し寿司。
自然の素材を背景に選ぼう
 次に構図です。これも説明をすると長くなるのですが、旅先で駅弁を撮影する時のコツを一つ。背景を考えて写真を撮りましょう。簡単に写真を撮るだけでも、例えば駅弁が置いてある場所が、木のベンチか、プラスチックのベンチか、その差だけでも写真の出来映えは違ってきます。

 作例3は江ノ電の駅で撮影した大船駅の駅弁の写真。この写真は光の当て方については工夫していませんが、駅弁を置く場所については、木のベンチを探してみました。この他にも、たとえば公園や川原などであれば、駅弁を置くのにふさわしい場所が見つかることでしょう。

ストーリーを考えながら撮影しよう

こまめにシャッターを切ろう

ストーリーを考えながら撮影しよう
旅先で立ち寄ることの多い土産物屋。
おみやげを物色している姿も良い記念に
 旅先で写真を撮るのは、魅力ある風景に出会った時です。だから、そのたびに写真を撮っていれば、それは自然な撮影法であり、何も問題はないのですが、家に帰ってから気がつくと、たとえば出発前の写真を撮っていなかったであるとか、あんなにきれいな旅館だったのに写真がない…ということになりかねません。それはそれでもったいない話です。

 こういったミス(ご愛敬ですが)がないようにするためには、前もって旅行のシミュレーションを頭の中で行なってみることでしょう。

ストーリーを考えながら撮影しよう
思いがけず遭遇した古めかしい郵便ポスト。
とにかくマメにシャッターを切ろう
今回の旅のいちばんの目的地はどこか、自分がいちばん楽しみにしているのはどこか?そういったことを頭に入れておき、ストーリーを考えておけば、きっと撮影はスムースに進むはずです。

 有名な松尾芭蕉の「奧の細道」では、芭蕉が楽しみにしていたという松島の句がないと言われています。この背景には諸説あり、芭蕉が松島に幻滅したからだとか、同行していた曽良の句が実は芭蕉が作ったものであったとか、本当に色々な推測がなされているのですが、やはり芭蕉の句がないことには淋しさも感じられます。そういったことがないように、まずは撮影の計画も立てておきたいものです。それでもし、本当にうっかりしてしまったら、その時は芭蕉を気取ることにしましょうか。

三脚は必要か?


状況に応じて使いこなそう

 デジタルカメラの時代になりました。ついこの前までは、「本格的な仕事ではスライドフィルムを使わなければ駄目だ」と言っていたのが嘘のよう。もちろん、デジタルカメラの再現性は、まだまだポジフィルムにはかなわない部分もありますが、その一方で、ポジでは逆立ちしてもできないような、例えば画像を一瞬のうちに複製し、それを電話回線で送信できる、というような芸当ができるのはデジタルカメラならではのアドバンテージで、デジタルカメラならではの様々な長所は、これから先もさらに改良が加えられていくことでしょう。

 さて、本格的な撮影というと、大きなカメラバッグに三脚を携えて、というスタイルが目に浮かびます。でも、私たちが町中でスナップ撮影をする時などに三脚を使うことは、まずない。それでは、三脚の必要性とは、どれくらいのものなのでしょう?

 言うまでもなく、三脚はカメラをしっかりと固定して、手ブレを防ぐことにいちばんの存在意義があります。その意味では大きくて、重いものほど信頼性が高い。大きさ、重さと信頼性は正比例しているといってまず間違いありません。大型量販店の店員さんは「このカメラならこの程度の三脚を」というアドバイスをしますが、実際には、大きくて、重いものが良いというのが基本的な考え方です。最近は軽量のカーボン三脚も出回っており、私もロケでは手放せない存在となっていますが、基本は一緒です。

三脚は必要か?
日中でも時には三脚が必要な場合が
 夕方、夜景などの撮影では三脚は必須となりますが、それでは日中の、明るい時であれば三脚はまったく不要なのか?答えを先に書きますと、使うにこしたことはない、ということになります。デジタルカメラではこのような概念も薄くなりつつありますが、撮影のデーターとして、「シャッタースピード1/250」というような言い方を聞いたことがあるかと思います。1/250、すなわち250分の1秒という高速シャッターは、明るい所でしか使えないような高速のシャッターで、このような撮影では手ブレとは無縁、すなわち三脚は不要、と考えがちですが、実はシャッタースピードが1/250であっても、1/500であっても、手ブレは起こっているものなのです。ただ、それが目立ちにくい。

 昔で言うところの六ツ切、四ツ切。現在でいえばA4サイズ以上に写真を引き伸ばした時に、画面全体がなんとなく「もやっ」と見えることがあります。実はこの犯人が手ブレであることは多く、それをピントが甘いとか、あるいはレンズの「味」だと勘違いしている人が意外と多いものです。特に、ピントを合わせたつもりなのに、画面のどこにもピントが来ていない、という時の原因はまず手ブレです。手ブレは望遠レンズを使った時には顕著に解りますし、写真をプレゼントする目的などで大きく伸ばす心づもりがある時は、できれば三脚を使って写真を撮りましょう。

 ただし、プロカメラマンの中にも、なるべく三脚を使わないというポリシーを掲げている人もいます。
三脚代わり
手ブレが心配なときは、身近なものに
固定するなどの工夫を凝らしてみよう
三脚を広げてしまったがために、あと2〜3歩動いて、よりよいアングルを見つけることがおっくうになることがある。そうなることを嫌っているのです。もちろん、手ブレの可能性は生じるわけですが、それよりも機動性を重視するということですね。これは個人の選択、好みの問題となります。

 最近は安価なデジタルカメラにも手ブレ補正機構が搭載されるようになり、手ブレの問題は杞憂となりつつあるようですが、以上のことを頭の中に入れておくだけでも、写真の仕上がりは違ってくるものです。もし三脚を使って撮影をしたいのに、三脚を持っていないという時には、カメラを柵やテーブルの上に置いてなるべく動かないようにしたり、あるいは体や腕を電柱などにもたれさせ、なるべく動かないようにするだけでも、ずいぶんと効果があるものです。


旅の想い出を整理する

 写真の整理というのは実は大変に難しく、この方法を記すだけでも一冊の本ができてしまうほどです。カメラ店に行けば写真の整理用品が多数並び、デジタル画像の整理ソフトも次から次に新しいものが登場します。これは逆にいえば、決定打がないということでしょう。食器の決定打は箸であり、ナイフ・フォークであるわけで、だから、新しいアイディア商品は出ないのですが、写真の整理には、まだそこまでの決定打はありません。

 まあ、そんなことを言い出しても言い訳にしかなりませんから、いちばん基本的なルールを。帰宅後になるべく早く整理する。その時に、まず日付を入れる。次に場所を入れるということが大原則です。デジタルカメラであれば、たいがいの場合撮影日時は画像に添付されるので問題はありませんが、まず撮影日時が入っていれば、後になって画像を見た時にも、色々な手がかりが掴めるものです。デジタルカメラであれば、「0810熱海」という具合に、日付と場所が解るフォルダーを用意して、その中に画像を入れておくことが、整理の第一歩になります。

(写真と文:池口英司)