上手なきっぷの購入法と活用法
−ルールを理解して安く購入して有効に活用しよう−
鉄道旅行なびでは、「レールパック」とともに、きっぷの上手な購入法と活用法をご案内することといたします。当サイトがおすすめする「レールパック」は、安くて快適ですが、利用できる列車やルート、宿泊先に制約が前提での割安価格ですから、その規格から外れた場合は使えないことになります。それではどうするか?ほかに手立てはないのか?
そんなことはありません。JRのきっぷには、正規の運賃や料金制度でもさまざまな割引条件がたくさん存在します。それらをうまく駆使すれば、食事代金や、場合によっては宿泊代金がまるまる浮く計算になるケースもあるのです。さらに、すでに割り引かれているトクトクきっぷ類であっても、より有効に利用する手段が存在します。
このコーナーでは、そういった知恵やヒントをご紹介してまいります。
一定以上の距離を乗れば、目的地までの乗車券が2割引(一部例外あり)になるきっぷといえば、「レール&レンタカーきっぷ」や「周遊きっぷ」がよく知られるところですが、実はもうひとつ伏兵が存在します。その名は「バカンスクーポン」。おそらく初耳の方が大半ではないでしょうか?
宿の予約とセットで発売される割引きっぷで、みどりの窓口では購入できない
「レール&レンタカーきっぷ」はレンタカーを、「周遊きっぷ」はゾーン券を同時に申し込みことが条件で発売される割引きっぷですが、「バカンスクーポン」の場合はセットの対象が宿になります。つまり、指定された宿を申し込むと、出発駅から宿泊施設の最寄駅までの往復の乗車券が2割引になるというわけです。そして、この往復という意味は出発地と目的地が同一であればよく、経路は問われません。往復割引きっぷのように復路は往路の逆をトレースする必要はないのです。
ホテルとセットになるというとレールパックと混同してしまいそうですが、旅行形態のくくりではレールパックが募集型企画旅行、いわゆる団体旅行に属するのに対して、バカンスクーポンは手配旅行という個人旅行に分類されます。したがって、割り引かれても「きっぷ」の扱いを受けるために有効期間内であれば途中下車は何度でもOK、払いもどしの条件も通常の乗車券と同じです。
申し込みの受付はセットになる宿は、JTB・近畿日本ツーリスト・日本旅行が提携する特定の施設に限られますが、結構全国津々浦々細かく設定されており、高級温泉旅館から廉価なビジネスホテルまで幅広く選択できます。
近畿日本ツーリスト・日本旅行では、右のようなロゴが入ったパンフレットに掲載されている宿泊施設が対象になります(近ツリ=「リラックスイン」、日本旅行=「日本の宿」シリーズなど)。
2人以上同一行程、片道201キロ以上が発売条件。繁忙期は設定なし
「レール&レンタカーきっぷ」や「周遊きっぷ」と異なるのは、2人以上が同一行程であることを前提に発売されるという点。きわめてツアーに近い性格を持っています。片道201キロ以上という条件は「周遊きっぷ」と同じですが、繁忙期(4/27〜5/6、8/11〜20、12/28〜1/6)の設定がないところが異なります。あと、東海道新幹線を片道600キロ以下しか利用しない場合は1割引(「周遊きっぷ」は5パーセント)。北海道・四国・九州を目的地とする場合、片道航空機が利用できるのは同じです。
使い方の例
夫婦や仲間同士のレールパックが設定されていない区間の旅行で、旅先ではレンタカーを使う予定がなく、現地でJRで広範囲に周遊する予定がない場合に有効です。また、レールパックが設定されていても途中に立ち寄りたい場所があったり、パックで対象になっていない列車に乗りたい場合などにも使えます。
たとえば、東京から石見銀山観光と温泉津温泉をセットにしたいとか、大阪から博多に行って帰りに広島に立ち寄りたいとか、東京から寝台特急「あけぼの」に乗って白神山地をめぐりたいといったケースが考えられます。いずれも乗車券部分が往復で1人あたり4000円以上割り引かれますので、レールパックほどではないにせよ、おトクなことには変わりありません。
もとは企業や共済組合などの保養施設とセットになって販売されたきっぷ
「バカンスクーポン」は企業などの保養施設を利用する際に、往復の交通費を軽減して利用促進を図るために始まった制度で、きっぷを買うときには申請書が必要になるのが建前です。しかし現実には申請書などなくても、前述のようにJTBなどで「何月何日、××ホテルに1泊、○○から最寄駅までの往復のJRは『バカンスクーポン』で」とオーダーすれば簡単に入手できます。
かなり以前からある制度だそうですが、ほとんど広告されておらず、時刻表にも掲載されていないことから、知名度は皆無に等しいのではないでしょうか。かくいう鉄道旅行なびも、恥ずかしながら知ったのは最近のことでした。ひょっとすると、これまで使えて得できる機会があったかもしれません。
JRの乗車券の種類の一つに「往復割引乗車券」というものがあります。内容は、(1)往路復路とも同じルートを通り、(2)片道きっぷの有効期間の2倍の期間内に帰着し、(3)片道601キロ以上乗車する。この3つの条件がそろえば、往路・復路の運賃がそれぞれ片道運賃の1割引となります。
東京〜神戸間は589.5キロ、神戸〜博多間は585.4キロ
主要都市間では、601キロ(正確には600.1キロ)にわずかに足りない区間が存在します。たとえば、東京〜神戸間は589.5キロであと10.6キロ、神戸〜博多間は585.4キロであと14.7キロ足りません。その場合、東京から神戸へ向かうときには、少し先の明石まで、神戸から東京へ向かうときには、東京より少し先の市川まで買えばクリアします。差額は往復分で1240円。昼食1回分が浮いてくる計算になります。
同様に、神戸→博多の場合は博多より少し先の鳥栖、博多→神戸の場合は神戸より少し先の大阪まで買えばクリア、といった具合です。
以上の例ではいずれも途中下車は自由ですので、目的地である東京や神戸、博多で途中下車すれば何ら問題はありません。
このように、少し工夫すればおトクになるような区間が、探せば案外見つかるものなのです。たとえば、東京〜米原経由〜小松(石川県)、東京〜紀伊勝浦(和歌山県)、大阪〜新潟、名古屋〜出雲市、名古屋〜松山などがあります。
遠回りした方が安く済む場合が
たとえば、横浜市内から神戸へ向かう場合、真っ先に思いつくルートは横浜線で新横浜へ向かい、そこから新幹線に乗るというものですが、それだと片道
560.7キロで往復割引乗車券の必要条件に足りません。ところが一旦逆方向へ進路を採って、品川を経由すると604.7キロとなり必要条件をクリアします。この場合の差額は、品川経由の方が往復で620円安くなるだけですが、横浜市内駅に指定されている川崎や鶴見あたりだと、東神奈川で横浜線にわざわざ乗換えて新横浜を経由するよりも、東海道線や京浜東北線でそのまま品川に向かい、新幹線に乗った方が実用上も優れているように思われます。
同様に、神戸市内から横浜へ向かう場合でも、西明石を経由すると606.3キロとなり、必要条件をクリア。こちらも神戸市内駅に指定されている神戸西部の垂水や舞子などからは、三ノ宮から地下鉄で新神戸へ向かって新幹線に乗るよりも、距離的に西明石の方が近く、地下鉄に乗換える必要もないことから、かえって使いやすいかもしれません。
遠距離逓減制と合わせて使うとさらにおトク
「 <Vol.1>遠距離逓減制を活用する
」で、「仮に500キロ離れた地点を往復するとして、
500キロの往復きっぷを買って単純に往復するのでなく、往路復路それぞれ別のルートを経由して一周するような1000キロの一枚のきっぷにまとめた方が安くなる」とご紹介しました。そして、例に挙げた、横浜市内→山科→金沢→犀潟→北越急行→六日町→横浜市内の片道一周きっぷのルートを往復する場合も割引制度が適用されます。
つまり、横浜市内→山科→金沢→犀潟→北越急行
→六日町→横浜市内が往路、そして逆周りの横浜市内→六日町→北越急行→犀潟→金沢→山科→横浜市内が復路となり、セットで買えば「往復割引乗車券」とみなされて、往復で23620円となるのです。
同項目の(1)新横浜→(新幹線)→京都、(2)京都→
(北陸線特急)→金沢、(3)金沢→(北陸線特急)→米原乗換え→(新幹線)→新横浜、という
3枚のきっぷで2度出向いた場合の合計は41820円。金沢に立ち寄らずに横浜〜京都だけを単純に2往復した場合でも30680円ですから、遠距離逓減制と往復割引の効果の大きさを物語っています。
この往復きっぷの有効期間は14日間。その期間内に京都と金沢へ2度出向くような機会があれば使ってみたいきっぷです。
当サイトの別項目でご案内している鉄道利用のレールパックは、その大半が「拠点間単純往復+ホテル」であり、わざわざ「往復割引乗車券」の条件をクリアして千円程度の節約のために頭をひねる必要性が少なくなってきているのは事実です。
実例として挙げた東京〜神戸間や博多〜神戸間などは、航空機との競合上、多くの種類のレールパックやJR独自の企画きっぷが発売されており、「往復割引乗車券」よりもはるかに安いねだんで利用できるものがたくさんあります。
しかし、これらのサービス商品が設定されていない区間や、繁忙期による利用制限期間など、「往復割引乗車券」が登場する機会はまだまだあることでしょう。
そのような折に本稿を思い浮かべていただければ幸いです。
登場から20年余り、「青春18きっぷ」は格安旅行のツールを語る上で、はずすことの出来ないアイテムとなりました。例年、このきっぷの発売日が近づくと、利用法・モデルプラン、さらに沿線の駅弁や観光地などの情報を満載した案内誌が書店に何種類も並びます。確かに鉄道しか使わないと仮定すれば、何かとかさばる交通費が一日あたり2300円で済むわけですし、夜行の快速列車を利用すれば相当遠くまでその日のうちに到達します。また、普通列車しか利用できない点を除いて、ほかのフリーきっぷのようにエリアの制約もないし、JR各社相互間も行き来自由。さらに普通きっぷにあるような経由地の指定や後戻りに関する制約も一切ありませんので、気を遣わずに済むという意味でも使い勝手のいいきっぷです。さらに「青春18」と名前がついていながら、購入者のうち相当の比率を中高年が占めていること(JR東日本広報による)からも、ゆったりとした時間の流れを楽しむのに有用なきっぷであることをうかがい知ることができます。
このように、確かに魅力のあるきっぷではありますが、実用性に問題が生じることも否めません。「青春18きっぷ」の基本情報は、それについて記したサイトや文献がたくさんありますので、そちらをご参照いただくこととして、当サイトでは、「青春18きっぷ」を実用面の問題点を検証し、あまり語られたことのない有効な利用法を提案してみることといたします。
ではまず「青春18きっぷ」の弱点を列挙するところから。
「青春18きっぷ」を購入するには11500円が必要
よく、一枚あたりの2300円を基準に得なのか損なのか、あるいは普通きっぷと比べていくら得するのか、などという記述を目にします。確かにその通りなのですが、このきっぷは5日分が一単位、11500円で発売されるものですので、たとえば2人で期間中に一度しか利用しない場合
4600円で済むというわけではありません。要するに購入時には絶対的に11500円が必要で、未使用分の払いもどしもありませんので、4人以下で期間中に一度しか利用しない場合、一枚あたりの単価は2300円よりも高くなります。
「青春18きっぷ」では、一日3〜4時間列車に揺られなければモトは取れない
「青春18きっぷ」で損しないために5枚分5
日間フルに使ったとして、かつ距離のハードルがあります。モトを取ろうと思うと、JR本州三社幹線では141キロ/1日、地方交通線では129キロ/1日以上乗ることが条件になりますが、これが意外に大変なのです。乗車が認められる普通列車の大半は各駅に停車し、表定速度(移動距離を単純に到達時分で割った数値)は時速40〜50キロ程度。ということは、一日あたり3〜4時間を車中で過ごすスケジュールしか組めないということになります。列車に乗ることだけが目的ならともかく、観光スポットを数箇所訪問したいというようなケースでは、予定自体成立しない可能性があります。
「青春18きっぷ」で乗ることができる車両の大半は、普通列車用に設計されている
もともと普通列車は、地域内の移動のためのものであり、車両はそれを前提に製造されています。したがって長距離を移動するには設備面でも不向きな造りとなっているケースが大半で、疲れの度合いも大きくなりますし、列車によってはトイレがない場合があります。また、ソフト面でも長距離列車のような車内販売が原則的にはないので、食事時間帯にかかっても飲まず食わずという羽目に陥る可能性もあります。
「青春18きっぷ」で乗ることができる普通列車の運転本数が、極端に少ない線区がある
JRでは幹線であっても沿線人口の少ない地域では、特急は一時間に何本も走るが普通列車は一時間に一本あるかないか、それどころか線区によっては普通列車は一日に数本しか走らないところもあります。
特急にも乗れるのに「青春 18きっぷ」より安いきっぷが存在する
パッケージツアーを申し込むことが条件になりますが、北海道や九州のフリーきっぷには一日あたりの単価が安いものがあります。もちろんエリアは限定されますが、これらのきっぷでは特急列車にも乗ることができます。たとえば、鹿児島を中心に東は宮崎、南は指宿、北は人吉までがフリー区間の「南九州フリーきっぷ」
の販売価格は二日間用で4500円。特急列車の自由席にも乗れて一日あたり2250円ですから、もともと、北海道や九州を観光で「青春18きっぷ」を使おうとしても、一部の都市圏を除いて一日の移動距離には限界が出てきますし、該当するエリア内だけしか使わないのであれば、「青春18きっぷ」よりもこちらを使った方が得策と言えます。
「青春18きっぷ」についてずいぶんネガティブな評論に終始しました。ファンの方にはお詫び申し上げます。しかし、鉄道旅行なびは、「青春18
きっぷ」が役に立たない代物である、と主張しているわけではありません。「わざわざ弱点が目立つところで使って損するのでなく、有利な点が生かされる使い方をしてトクしよう」と提案しているのであります。
では、青春18きっぷのアドバンテージとは何か?それは、JR各会社間のエリアにとらわれずJR全線で使えること。それと何度でも途中下車が可能ということです。
「青春18きっぷ」のアドバンテージが発揮されるケース(その1) -「大都市近郊区間」-
「大都市近郊区間」とは簡単にいいますと、通常途中下車が認められている100キロ超えの乗車券であっても、特定のエリア内では途中下車が出来ない、という制度で、東京・大阪・新潟・福岡の4箇所を中心とした近郊区間で設定されています。そして、そのエリアは意外に広域で、東京近郊区間の場合、栃木県の黒磯・山梨県の韮崎・群馬県の渋川・静岡県の伊東、大阪近郊区間の場合、滋賀県の米原・兵庫県の播州赤穂まで含まれます。つまり、このエリア内で「青春
18きっぷ」を使うと、たとえば中学生以上の5人家族で、東京から小田原に行って復路に横浜で降りて中華料理を食べて帰る、あるいは、大阪から姫路へ行って復路に神戸で降りて神戸牛ステーキを食べて帰る、というだけで、普通きっぷを使った場合よりも安くすみます。(この場合、横浜や神戸で途中下車しなくても安い)
これらのエリアでは、普通列車の速度が高いので(多くは表定速度60キロ/時以上、大阪の新快速なら80キロ/時を超える区間も)一定の時間でより遠くまで移動が可能。その結果滞在有効時間を長く確保することができ、深夜までひんぱんに来る(おおむね10分から20分程度の間隔で電車が来る)ので出発時間を気にすることもなく、設備面でも、大阪・福岡地区の車両は、ある程度の長距離乗車に耐えうる設計となっていますし、東京地区の主要区間では追加料金が必要ですが、特急列車並みの設備を持つグリーン車が連結されているので居住性も問題なし。またトイレの問題も、仮に設置されていない電車に出くわして途中駅で降りて用を足したとしても、すぐに次の電車が来ますので問題ありません。
ビジネスにも利用価値の高い「青春18きっぷ」
「青春18きっぷ」は、レジャーだけでなく、使い方によってはビジネスにも非常に利用価値が高くなるケースが考えられます。先述の4つの近郊区間内にオフィスを構える企業の社員が、エリア内の複数の事業所を視察にまわる場合、あるいは年末によくある得意先のあいさつ回りなどの際には、経費節減に貢献する可能性があります。
「青春18きっぷ」の発売は年3回。最低でも冬・春は一回あたり20日間以上、夏は一ヵ月半以上の利用期間がありますので、この間に延べ5人が上記のような行動様式を取る事業所ならば充分活用できるというわけです。
「青春18きっぷ」のアドバンテージが発揮されるケース(その2) - 「主要幹線」 -
「青春18きっぷ」の弱点として、速度が遅く、本数の少ない普通列車しか利用できない点にあることは先述のとおりです。ということは、逆に普通列車が高速でしかも本数が多ければ利便性が上がることになります。つまり、普通列車の本数が多い主要幹線沿いに連続して途中下車しながら旅するには適しているといえるのです。中でも東海道・山陽本線は全線を通じてこの要件を満たしており、さらにこの線区は、熱海と米原と下関で会社が分かれますから、通して乗れる企画割引きっぷがほとんどないのが現状です。「青春18きっぷ」は、そのような条件下でこそ利用価値が高くなるのです。
1日あたり200キロ程度の移動を目安に
主要幹線を「青春18きっぷ」で旅行する場合、朝出発して日中1〜2箇所途中下車してまわり、夕刻に次の宿に入る、という基本的な旅のパターンで考えますと、200キロ、つまり乗っている時間を3〜4
時間以内に抑えるのが無理のないところでしょう。先述の東海道・山陽沿線では、東京・静岡・名古屋・大阪・岡山・広島・下関、計7主要都市のそれぞれ隣同士の距離がおよそ170〜200キロ程度だといえば、分かりやすいと思います。
以下、一枚の「青春18きっぷ」を使った4泊5日の旅程を二例挙げておきましょう。
(1)東京・大阪発 東海道五十三次めぐりの旅
一日目:東京〜旧宿場町のいずれかと、三保の松原などの景勝地〜静岡(泊)
二日目:静岡〜旧宿場町のいずれかと、浜名湖などの景勝地〜名古屋(泊)
三日目:名古屋〜三重県関宿などの旧宿場町と、伊賀上野など〜京都または大阪(泊)
四日目:京都または大阪〜往路と別の旧宿場町と景勝地〜豊橋(泊)
五日目:豊橋〜往路と別の旧宿場町と景勝地〜帰着
<大阪発はこの逆ルート>
(2)名古屋発 世界遺産めぐりの旅
一日目:名古屋〜京都または奈良〜京都または大阪(泊)
二日目:京都または大阪〜姫路城〜岡山(泊)
三日目:岡山〜宮島・原爆ドーム〜広島(泊)
四日目:広島〜尾道あたり観光〜姫路(泊)
五日目:姫路〜神戸・大阪あたり観光〜帰着
復路の乗車距離は、300キロ近くにおよぶ場合がありますが、列車頻度が高くスピードが速いので、拠点で途中下車してリフレッシュしながら進めば大丈夫でしょう。
なお、例に挙げた宿泊地のうち、姫路を除く各駅の構内にはJR系列のホテルがあり、「青春18きっぷ」保持者は、10%〜20%程度の割引が受けられます。ホテルのリストはこちら。
ここでは、新幹線とJRの在来線特急・急行との、あるいは在来線同士の特急・急行との乗継割引制度について述べてまいります。この制度は、もともと新幹線開業前に在来線特急なり急行列車で直通運転して、料金が1本で済んでいた区間を、新幹線で系統が分断されてそれぞれ2本に特急料金が必要になるケースが続出。結果、運賃・料金が新幹線開業前よりかなり高額になる区間も出てくるという弊害を是正するために制定されました。
新幹線とJRの在来線特急・急行との乗継割引
基本的に新幹線と在来線の特急・急行を乗り継いで旅行する場合、在来線の特急・急行料金が、指定席・自由席問わず半額になります。
この制度が適用されるにはいくつか条件がありまして、
(1)新幹線→在来線の場合は当日、在来線→新幹線の場合は当日もしくは翌日に乗り継 ぐ場合に限る。
(2)双方の特急券(急行券)を同時に購入する。
(3)購入は出発前に限る。すなわち、車内改札時に購入を申し出た場合などは適用外。
以上(1)〜(3)の条件を満たし、さらに適用される乗継駅というのが指定されており、
(4)東京と品川を除く東海道・山陽新幹線の各駅、ならびに大阪・坂出・高松の各駅で乗り 継ぐ場合
(5)八戸(東北新幹線)、越後湯沢・長岡・新潟(上越新幹線)、長野(長野新幹線)で乗り 継ぐ場合
(4)(5)のいずれかの条件に当てはまる場合に適用されます。
それでは、在来線特急・急行→新幹線→在来線特急・急行、と乗り継ぐ場合はどうなるのかといいますと、在来線の特急・急行のどちらかが半額となります。通常は高額な方に適用されます。
また、新幹線→在来線特急・急行→在来線特急・急行(あるいはその逆)と乗り継ぐ場合は、新幹線と乗り継ぐ方の在来線特急・急行にのみ適用されますが、東北新幹線→東北本線〜津軽海峡線在来線特急・急行→北海道内在来線特急・急行(あるいはその逆)と乗り継ぐ場合は、在来線特急・急行の双方とも半額になります。これは、新幹線開業前から本州〜北海道の在来線特急・急行を乗り継ぐ場合には、道内側が半額になる制度があったのを踏襲したものです。
乗継割引のバリエーション
区間によっては在来線特急・急行同士の割引制度もあります。
(1)本州〜北海道内の在来線特急・急行を乗り継ぐ場合
例として、八戸〜(スーパー白鳥)〜函館〜(スーパー北斗)〜停車各駅、と乗り継ぐ場合は「スーパー北斗」の特急料金が半額となります。秋田〜(かもしか)〜青森〜(スーパー白鳥)〜函館〜(スーパー北斗)のような場合には、「スーパー北斗」の特急料金だけが半額となります。
(2)寝台特急「サンライズ瀬戸」と四国内の在来線特急・急行を乗り継ぐ場合
例として、東京〜(サンライズ瀬戸)〜坂出〜(しおかぜ)〜停車各駅、と乗り継ぐ場合は「しおかぜ」の特急料金が半額となります。高松駅で「うずしお」に乗換えて徳島方面へ向かうような場合も同様です。もちろん、四国→本州に向かう場合も適用されます。これは、瀬戸大橋開通前、本州〜四国を連絡船を介して結んでいた頃からの名残りです。当時も新幹線を含む本州内の特急・急行→四国内の特急・急行(あるいはその逆)を乗り継ぐ場合は、四国内側が半額になる制度が適用されていました。
以上のような割引特急券は、購入申込書に乗り継ぎ列車の記入欄があり、そこにフォームどおり記入して呈示すれば、窓口の機械で自動的に計算して発券されますので、あえてこちらから申し出る必要はありません。ただし、JR各社で導入されているカード式乗車券(「エクスプレスカード」など)では、上記の条件を満たしいても適用されませんので注意が必要です。
意外な乗継制度活用法(その1)
ここでクイズを一問
新大阪から金沢へ向かう場合、もっとも特急料金総額が安くなるのは?
(1)「サンダーバード」「雷鳥」でそのまま向かう
(2)新大阪から京都まで新幹線自由席、京都から「サンダーバード」「雷鳥」で向かう
(3)新大阪から米原まで新幹線自由席、米原から「しらさぎ」で向かう
(4)新大阪から京都まで「はるか」自由席、京都から「サンダーバード」「雷鳥」で向かう
正解は(2)。
新大阪〜金沢間の直通特急料金は通常期指定席で2820
円。
それが新大阪〜京都間新幹線自由席840円+(京都〜金沢間通常期指定席2820円/2=1410円)、総額2250円。
つまり片道あたり570円安くなるわけです。往復だと1140円の節約。弁当一個分に相当する価格です。これが富山往復となると片道あたり780円、往復で
1560円の差額。ちょっと無視できない金額になります。また、寝台特急「日本海」を京都乗り継ぎで利用する場合も同様です。この場合は、片道あたり
740円安くなります。
新幹線の隣りの駅同士の自由席特急料金は、通常より割安に設定されており、例に挙げた新大阪〜京都間は840円。それが、新大阪〜もう一つ隣りの米原間だと2410円にハネ上がります。
整理しますと、一部区間を新幹線に並行して運転されている在来線特急列車を利用するときには通しで乗るよりも、新幹線の自由席で1駅分乗って在来線特急列車に乗り継いだ方がおトクになる、ということです。ただし、在来線特急区間が
101キロ(場合によっては151キロ)以上でないと割高になることもあるので注意しましょう。
このような例は、
・京都から「オーシャンアロー」で箕島以遠へ向かう際に、京都〜新大阪間で新幹線自由 席を利用した場合(あるいはその逆)
・明石から「はまかぜ」で城崎温泉以遠へ向かう際に、西明石〜姫路間で新幹線自由席を 利用した場合(あるいはその逆)
・博多から「にちりんシーガイヤ」「ソニック席で臼杵以遠へ向かう際に、博多〜小倉間で新 幹線自由席を利用した場合(あるいはその逆)
などがあります。
首都圏では、東京から小淵沢以遠へ向かう際に、新宿から「スーパーあずさ」で直通するのではなく、東京〜新横浜間で新幹線自由席を利用し、土曜休日に限って運転される「はまかいじ」に乗り換えるというパターンが当てはまりますが、こちらはルートが遠回りとなるので、運賃と合算すればあまり効果が見込めません。
意外な乗継制度活用法(その2)
またまたクイズを一問
次のうち、特急料金が半額になるケースは?
(1)東京から新幹線で仙台に向かい、「北斗星」B個室寝台ソロに乗り継いで札幌へ向か
う場合の「北斗星」の特急料金
(2)東京から新幹線で高崎に向かい、「北陸」B個室寝台ソロに乗り継いで金沢へ向かう 場合の「北陸」の特急料金
(3)東京から「こまち」で秋田に向かい、当日夜の「あけぼの」B個室寝台ソロで帰京する
場合の「あけぼの」の特急料金
(4)東京から「のぞみ」で在来線快速に乗り継いで高松に向かい、当日夜の「サンライズ瀬
戸」B個室寝台シングルで帰京する場合の「サンライズ瀬戸」の特急料金
正解は(4)。
仙台・高崎・秋田には新幹線が乗り入れていますが、いずれも乗継割引適用駅ではなく、高松には新幹線が乗り入れていませんが適用駅です。そして、ここからがおもしろいところですが、乗継割引制度の規則にあるのは、乗継駅と日にちの制約だけで、乗り継ぐ列車の下り・上りの規定がないのです。したがって、東京
→
高松→東京といった往復の場合も片道に新幹線、片道に在来線特急・急行列車を利用すれば乗り継ぎとみなされ、在来線特急料金は半額になります。「サンライズ瀬戸」の場合は3150円の半額と端数切捨て分5円、締めて1580円が割り引かれます。なお、同列車に連結されている2人用個室寝台(サンライズツイン)に乗車する場合は適用外となりますのでご注意ください。
このような例は、
・大阪〜名古屋間で片道「ワイドビューしなの」、片道新幹線を利用する場合
・博多〜小倉間で片道在来線特急、片道新幹線を利用する場合
・東京〜小田原・熱海・三島間で片道在来線特急、片道新幹線を利用する場合
などがあります。さらに、往路が在来線列車だと、翌日乗車分まで乗継割引が適用されることになりますので、1泊旅行でも特典を享受できることになります。まさに「知らなきゃ損」といった制度です。
首都圏から東北方面でも以前は、東京から仙台を片道「スーパーひたち」、片道新幹線といった利用などが可能でしたが、平成14(2002)年の制度改定以降できなくなりました。
いきなり聞きなれない、しかも難解な言葉が出現してまいりました。恐縮です。
遠距離逓減制(えんきょりていげんせい)とは、簡単にいえば「乗れば乗るほど安くなる制度」のことです。JRの運賃は、大都市の特定区間などの例外を除き、原則距離に比例した額を徴収する仕組みになっており、1キロ乗るよりも10キロの方が、10キロ乗るよりも100キロの方が高額になります。
ところが、賃率、つまりキロ当たりの単価というのが一定ではない、いうのがミソになるところで、近距離では賃率が高く、長距離になるほど安く設定されています。たとえば野菜や果物を袋で買うよりもダンボールでケースごと大量に買う方が、一個あたりの値段安くなるのと同じ理屈です。
JR の運賃は、600キロを超えると単価が安くなる
JR の幹線運賃の場合、100キロ乗る場合の1キロ当たりの単価が16.2円、
200キロで16.3円、500キロで15.3円、600キロで15.05円と緩やかな右肩下がりのカーブ(正確には200キロ〜300キロで一旦上がる)を描き、800キロで13.12円、1000キロで11.97円、1200キロで11.2円・・・という具合に急降下します。
つまり、JRは、600キロを超える長距離を利用するお客さんを獲得する営業政策に出ているというわけです。
一枚のきっぷの要件は、一筆書き
次に運賃計算の基本的なルールを考えてみます。乗車券は、原則として乗車(つまり乗る)駅から下車(つまり降りる)駅までを一単位として発売され、経由するルートは自由。そして、そのルートの距離分が対価、すなわち運賃となります。
そして、経路内で折り返し乗車することは認められず、その場合は、折り返す駅で計算を一旦打ち切り、別の乗車券を購入するといった形になります。つまり、一枚のきっぷとみなされる条件は、一筆書きのできる一直線(8の字はダメ。交点の一つ手前の駅までが一枚とみなされる)になります。
ということは、仮に500キロ離れた地点を往復するとして、500キロの往復きっぷを買って単純に往復するのでなく、往路復路それぞれ別のルートを経由して一周するような1000キロの一枚のきっぷにまとめた方が、先述のように安い単価できっぷを購入できるという理屈になります。そして、現状のJRの鉄道網では、案外そのようなワザを使えるケースが多く存在します。
横浜市内発横浜市内行きの片道乗車券
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北陸の中心都市金沢。東西それぞれに
向けて特急列車が数多く発着する | Aさんは、仕事で横浜から京都と金沢に出向くことになりました。初日の午前中に京都に赴き、午後に次の目的地金沢へ。そして金沢で夕刻にもう一仕事を済ませて投宿。翌日正午までに横浜に帰らねばならないというあわただしいしいスケジュールです。
A
さんは最初、(1)新横浜→(新幹線)→京都、(2)京都→(北陸線特急)→金沢、(3)金沢→(北陸線特急)→米原乗換え→(新幹線)→新横浜、という
3枚のきっぷを用意しようと考えました。このルートですと、(横浜市内〜京都市内)7670円+(京都市内〜金沢)3890円+(金沢〜米原〜横浜市内)
9350円=総額20910円の運賃が必要です。
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越後湯沢駅は、米原駅とともに首都圏と
北陸を結ぶ重要な中継点 | しかしAさんは考えました。「往復同じルートを採るのも芸がない。せっかく日本海側へ赴くのだから帰りは別のルートを経由できないものか・・・」
さっそくAさんは時刻表を繰りはじめます。当初予定していた復路の乗り継ぎは、金沢7:50発の「しらさぎ4号」〜米原乗り継ぎ「ひかり410号」で
11:51新横浜着。これが日本海経由だと金沢7:
09発の「はくたか3号」〜越後湯沢乗り継ぎ「とき316号」で11:20東京着。少し早起きせねばならないが、根本的なスケジュールには問題がないことを確認してみどりの窓口に出向いたAさんは、係員が口にした運賃を聞いて何かの間違いかと思いました。
「14440円です。」
「えっ!?すっ、すみません・・・そっ、それって横浜へ戻る分も含んでですか?」
「はい、途中経由する北越急行も含めてのねだんです・・・」
ことのカラクリは次の通り
*(横浜市内〜山科)479.3キロ+(山科〜金沢〜犀潟)403.6キロ+(六日町〜横浜市内)228.0キロ=1128.5キロの乗車券13130円
(A)
*北越急行の犀潟〜六日町間950円(B)
*一周から外れる山科〜京都間往復360円(C)
(A)+(B)+(C)=14440円
さらに特急券は、当初の復路米原経由では12850円に対し、復路越後湯沢経由だと11770円。締めて、当初の計画総額33760円に対して
26210円で、なんと7550円の節約。ホテル1泊分がまるまる浮く計算になりました。この差額で、ホテルのグレードを上げようか、それとも加賀会席を賞味しようか・・・と、久しぶりにワクワクしたAさんでした。
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横浜市内発、山科(京都市)、金沢経由、
横浜市内ゆきの「片道きっぷ」。
14080円で有効期間は7
日間 | ところで、「横浜市内から横浜市内ゆき」がなぜ成立するのかという話。
本来なら出発駅から一周して隣りの駅が一枚のきっぷとみなす条件になるので、新横浜駅を基準とすると、この場合は隣りの菊名駅までのきっぷということになります。ところが、この両駅は双方とも横浜市内駅(この制度については別稿で後日)ですので、このような出発駅と到着駅が同一というケースが起こりうるというわけです。
遠距離逓減制を活用する一周きっぷが成立する例
日本の鉄道網は、基本的には、太平洋側と日本海側に幹線が通り、その主要地点同士を、内陸部を貫く幹線で結んでいます。したがって、環状に回遊するルートを発見することは、それほどむずかしいことではありません。たとえば、東京起点だと、北東北に出向く場合に、どちらかを仙台経由、どちらかを新潟経由というのが代表例でしょう。
ただ、近年のJRでは、太平洋側と日本海側に幹線が通る場合、どちらかだけを整備するケースが増えています。たとえば、大阪起点で山口県を旅行する場合、片道山陽本線、片道山陰本線という芸当がかつては可能でしたが、現在では京阪神〜山口県を山陰本線経由で直通する特急がなくなりましたので、実用性に問題が生じることになりました。大阪や名古屋起点だと、むしろ、東京を往復するのに片道中央本線を経由するというのが実用上おすすめできる方法です。大阪起点だと一周きっぷにはなりませんが、乗車券が単純往復するよりも2100円、名古屋起点の一周きっぷだと単純往復よりも1680円安くなります。
有効期間が長く、繁忙期に割高になったり、利用期間の制限がないのが魅力
実例に挙げた「横浜市内発、山科(京都市内)、金沢、越後湯沢経由横浜市内行き」のきっぷは安く上げるだけでなく、京都と金沢という古都2都市を一度にめぐることができるのも付加価値です。まさに一石二鳥といったところでしょうか。
しかも7日間の有効期間があって、しかも期間中は途中下車が何度でもOKですので、静岡からはじまって、愛知、京都、福井、石川、新潟、群馬(その逆も可)と丹念に周遊することができます。
また、パッケージツアーのように繁忙期に割高になったり、一部のトクトクきっぷのように繁忙期には使用できないという制限もありません。したがって、まとまった休暇の取りやすい年末年始、ゴールデン・ウィーク、旧盆時期でもおトクな旅行が楽しめるというわけです。
きっぷを買うときには、できるだけ一枚のきっぷで長い距離を乗ることができるルートを模索しましょう。
最後にアドバイスを一つ・・・。このような経由地が複雑なきっぷをオーダーするときには、必ずメモに書いて窓口に呈示しましょう。経由するルートの図があればなお望ましいでしょう。口頭だけだと、係員の手をわずらわせて、結果後ろに並んでいる人の迷惑にもなりかねません。
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