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鉄道雑学あれこれ
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| JR
の駅の中で利用客数トップは新宿駅。 一日平均の乗降人員は、神戸市の人口に匹敵 |
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| 利用客数第2位は池袋駅、第3位は渋谷駅 いずれも山手線のターミナル |
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| 利用客数第4位は大阪駅 首都圏以外からは唯一のトップ10入り |
そして、第6位にやっと登場するのが東京駅で396,152人(乗降客数=約79万人)。これは、トップ5の駅と違って、他社線の乗り入れが東京メトロ丸ノ内線だけで乗換えターミナルという性格を帯びていないということや、かつて、東京駅周辺にあったビジネスの拠点が、副都心へと移転して行ったこと(例:都庁・JR東日本本社)などが要因として挙げられます。実際、副都心が今ほど整備されていなかった昭和30年代には、東京駅が利用客数でトップを獲得した年度もあったそうです。
第7位以下は、品川、新橋、大宮、秋葉原の順。11位以下は、高田馬場、北千住、名古屋、川崎、上野、京都、有楽町、立川、田町、浜松町で、ここまでがトップ20となります。
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| 私鉄の駅の中で利用客数第1位は京王新宿駅 本線と新線の2駅を合計しての数字 |
次いで第2位が阪急梅田駅の329,506人(乗降客数=約66万人)。ただし、京王新宿駅は、通路でつながれているものの別の場所にある本線と新線の 2駅の合計であるのに対し、阪急梅田駅は同一構内・同一平面の駅での数字ですから、実質的にはこちらがトップといっても差し支えないかもしれません。
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| 京王新宿駅に次いで第2位は阪急梅田駅 同一平面に9線が並ぶターミナルは壮観 |
なお、同じ資料によると、東急渋谷駅の508,337人(乗降客数=約101万人)というのがありますが、まったく別の場所にある東横線と田園都市線の合計で、しかも、直通運転を行なっている田園都市線と東京メトロ半蔵門線との直通乗客をすべて含んでの数値ですので、対象からはずしました。
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| 全国の地下鉄の駅の中で利用客数第1位は 大阪の御堂筋線梅田駅 アーチ天井の立派なホームが特徴 |
こと地下鉄に関しては、新宿・池袋・渋谷といった東京勢を抑えて、大阪の梅田がダントツ。さらに御堂筋線梅田駅だけを見ても460,859人と、池袋駅
2線分に肉薄する凄さ。
第3位には、これまた大阪の難波が371,053人でランクイン。以下、北千住、大手町、銀座と続きますが、2006年度の乗車人員の統計しかない名古屋市営地下鉄の名古屋駅(東山線と桜通線の合計)乗車人員165,233人を2倍に換算すると330,466人になりますので、第4位に割って入ることになります。
この結果だけを眺めてみると、東京の地下鉄の利用者数が少ないような印象を受けるかもしれませんが、大阪は御堂筋線、名古屋は東山線の輸送量だけが他線区にくらべて際立って大きいのが原因。東京よりむしろ、大阪や名古屋の方が、域内の一極集中は著しいのかもしれません。
地下鉄全線で比較してみますと、東京メトロ・都営地下鉄を合わせた一日平均の輸送人員(2007年度)は、大阪市営地下鉄の約4倍、名古屋市営地下鉄の約8倍です。
昭和50年前後の国鉄による全国乗降客ランキングデータ数年分をひも解いて見ますと、トップの新宿、2位の池袋は不変。3位から5位を渋谷、大阪、東京の3駅が入れ替わりで占め、6位以下に新橋、高田馬場、有楽町、上野、天王寺、秋葉原、神田あたりがトップ10に顔を出すか出さないか、といった図式になっています。
さらにトップ20までを眺めてみますと、そのうち山手線の駅が10駅、そして先述の大阪・天王寺に京橋・鶴橋を加えた大阪環状線の4駅が常連。
ところが現在では、横浜・大宮・北千住・川崎・立川といった首都圏周辺部の躍進が目立ち、対して上野・有楽町・神田あたりがトップ10やトップ20からすべり落ちています。このことは、この30年余りで東京を中心とするJR以外の路線整備が進み、都心への入り口で山手線に乗り換えなくても直通できる機会が増えたことと、首都圏の都市規模が、ここ数十年で大きく膨張したことを物語っています。
また、当時はトップ20ランク外だった名古屋駅が13
位、京都駅が16位に躍進。これは、名古屋、京阪神近郊のJR利用者が大幅に増加したことによるものですが、その反面、当時の国鉄大阪駅をも凌駕するほどだった阪急梅田駅が、今やJR大阪駅に20万人以上の差を付けられるほどに。JRの躍進と、それに伴なう名鉄や近畿各私鉄の地位低下を如実に表わしたいささか残念な数字であることを読み取れます。
さらに、トップ20の常連だった大阪の天王寺・京橋・鶴橋が近年、トップ20から姿を消している現状からは、大阪を中心とするJR以外の路線整備が進み、都心への入り口で環状線に乗り換えなくても直通できる機会が増えたこととともに、ここ数十年の間にかなりの勢いで東京一極集中が進んだことがわかります。
当時の阪急梅田駅は、私鉄の中では2位以下に15万人以上の差をつけて堂々の1位。在京私鉄のどのターミナルも足元にも及びませんでした。
駅の乗車人員、または乗降客数は、鉄道会社各社のHPや都道府県の都市統計で公開されていることがあります。
たとえば、JR東日本であればこちら、JR西日本であればこちら、東京メトロであればこちら、大阪市営地下鉄であればこちら、大阪府であればこちら、といった具合です。
皆さんの自宅の最寄り駅、職場の最寄り駅も掲載されているかもしれません。
皆さんは、家電製品やクルマをどの程度の年数で買い換えますか?多くの場合、家電製品なら新モデルの登場や故障、クルマの場合は車検の時期に合わせて… といった都合で、5〜10年といったところでしょうか。
では、鉄道車両はいったい何年くらい使えるものなのでしょう?
鉄道車両の寿命について何か決まりは?と見ていくと、財務省の「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」では、電車の法定耐用年数は 13年、機関車は 18年、ディーゼルカーは11年とあります。ただ、これはあくまで会計上の減価償却期間のこと。実際の車両の耐用年数というわけではありません。
現在、日本国内で通常の営業運転に使われている最も「長寿」の鉄道車両は、大阪の路面電車、阪堺電気軌道のモ161形。 1928(昭和3)年製ですから、80年以上走り続けてきたことになります。
イベント用などに保存されている車両を含めれば、蒸気機関車(SL)はほとんどが戦前生まれですし、長崎の路面電車、長崎電気軌道には1911(明治 44)年生まれの木造車両もあります。手入れや修理次第では、鉄道車両はかなり長持ちするわけです。
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| 小田急電鉄の9000形電車 登場から34年で引退した |
時速200キロ以上の高速で走る新幹線はもっと短く、15〜20年程度。08年11月末で引退した0系の場合、最後まで残ったのは 20数年前、1980 年代前半に造られた車両でした。
基本的には、鉄道車両は20〜40年程度使い続けることを前提に造られていると考えてよいでしょう。
では、鉄道車両が引退に至る要因にはどんなものがあるでしょうか。スポーツ選手の引退会見などでは「プロとして限界を感じました…」といったコメントがよく見られますが、電車はどんな理由で引退するのでしょうか?
鉄道車両は当然ながら、走り続けるうちに車体や部品が痛んできます。特に車体が鋼鉄製の場合は、風雨にさらされて走っているうちに各部が錆びて劣化し、補修が必要になります。また、デビュー時はピカピカだったインテリアも痛んだり、「古臭い」デザインになってしまったりするのは仕方ありません。
このため、多くの場合は登場から15年程度で機器やインテリアのリニューアルが行われます。しかし、さらに15年程度を経ると、車体の傷みに伴う修理費用は以前よりもかさみ、交換用の部品も手に入りにくくなってきます。その結果、多額の費用をかけてもう一度リニューアルを行うよりは新車に置き換えたほうが低コストと判断され、廃車される…というのが、よく見られるパターンです。
1970年代以降増えているステンレス製やアルミ製の電車は、錆びない素材を使っているため、車体の傷みはそれほど問題になりません。制御システムやインテリアをリニューアルすることで、最新型と同レベルの車両に生まれ変わることも不可能ではありません。
しかし、部品の交換には多額の費用がかかります。また、近年は車両製造技術の進歩や部品・設計の規格統一などで、以前よりも車両製造コストが下がっています。このため、鉄道会社によっては新車を造ったほうがトータルでは有利と判断して、リニューアルより廃車を選択することもあります。鉄道会社のポリシーにより判断が分かれるところです。
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| 京浜東北線の209系電車 すでに引退が始まっている |
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| 東京メトロ千代田線の6000系電車 行先表示も最新のLED式に |
また、ダイヤや路線環境の都合で引退を余儀なくされる車両もあります。 2階建て車を連結し、「ニュー新幹線」として華々しくデビューした東海道・山陽新幹線の100系がその好例です。
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| 山陽新幹線の「こだま」に残る100系 |
このため、同年までに東海道新幹線からは完全に撤退。山陽新幹線でも「ひかり」からは姿を消し、新しい車両は登場から僅か10年程度でスクラップとなってしまいました。現在は、残った車両が山陽新幹線の「こだま」として走っています。
「廃車」は即スクラップ、を意味するわけではありません。大手私鉄や都市圏のJR線から引退した車両の中には、「第2の職場」に移って働き続ける車両も少なくありません。分刻みのダイヤで激しいラッシュをさばく大都市圏の路線では使いづらくなった車両でも、地方の鉄道では十分に使えるからです。
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| (上)長野電鉄の3500系電車 (下)車内にあるプレート。 製造年「昭和38年」の文字が読み取れる |
このように、大手私鉄などで廃車となった車両が地方の鉄道に移籍することは珍しくありません。特に、東急電鉄、京王電鉄の車両は各地の鉄道で「第2の人生(車生?)」を送っています。中には、海外の鉄道に輸出される例もあります。
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| JR
東日本の107系電車 廃車となった車両のモーターなどを再利用して登場 |
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| 車内に張られたステッカー 「東急車輛 平成20年」の文字が読み取れる |
電車に乗ったら、車内の電光掲示板や吊り広告を見渡すときに、車端部の製造年にも注目してみてください。皆さんと同い年の車両かもしれませんよ。
都市圏を中心に、朝の通勤・通学時間帯の列車は混み合います。
「何でこんなに人が多いんだろう?」
「それはアンタがいるからだ。アンタがいなければ確実に一人は減る。」という突っ込みも聞こえてきそうですが、それでは一体何人の「アンタ」が退出すれば空くのでしょうか?
まず、一両の電車に何人乗ることが可能か、という話から。
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| 標準的な通勤電車の中間車 車体長=およそ20メートル 車体幅=およそ2.8〜2.9メートル 片側の扉の数=4箇所 |
それでは座席にはどれ位の人数が座れるかというと、片側4箇所に扉のある車両で多くの場合は54人。
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| 標準的な通勤電車の車内風景 多くの場合、座席数は54人分 |
話は少し間延びしましたが、それでは朝のラッシュ時には、1本の電車に何人乗っているのか?という命題の答えは次の通り。
日本でもっとも混雑するといわれる山手線の上野→御徒町間の最混雑時間帯(8:00〜9:00)の混雑率は216%。
山手線の電車は、およそ160人乗りの車両を
11両つないでますので、160×11×216/100=約3800人が正解です。先述の学校にたとえますと、
40人学級95クラス分というとてつもない数字になります。
この人数を、仮に定員75名の路線バスで同じ混雑率で輸送するとすれば 23〜24台。1分おきに出発させたとしても 1時間かかってわずか2.5本分しか運べません。そして5人乗りの自家用車だと760台が必要。2箇所の料金ゲートを10秒おきに通過させたとして1時間を要します。こう考えると、鉄道がいかに大量輸送に向いた交通機関であるかということを理解できます。
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| 新幹線の中間普通車 この車両の定員は95人 |
それでは何人くらい乗れるかというと、全車普通車で中間車の場合、新幹線はおよそ80人〜100人程度、在来線の特急はおよそ60〜70人程度。ただし、車内販売設備や車椅子スペースなどの車内設備で場所を割いている場合は5人〜10人減るのが一般的です。新聞報道などで、帰省時期に「新幹線の乗車率が 130%」などと表示されますが、この場合は一車両あたり25〜30人ほどが デッキなどに立っている、ということを意味します。
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階建てグリーン車の定員は90人 着席定員増加のために導入された |
ある統計によりますと、平成18年度の最混雑時間帯の平均混雑率は、東京圏170%・大阪圏136%・名古屋圏145%。
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| 東京近郊大手私鉄のラッシュ風景。 この1両の乗車人数は推定250人、車両の定員は 144人なので、混雑率およそ 170%。 首都圏では標準的な混み具合だ |
昭和50年代の資料によりますと、常磐線〜営団地下鉄(当時)千代田線の混雑率が300%に近いというのがありますが、200%=週刊誌程度なら何とか読める、250%=電車がゆれるたびに体が斜めになって身動きができず手も動かせない、とありますから、このレベルは それ以上の過酷な状態だったわけですね。経験された方にお聞きしますと、靴が月に2足ダメになり、カサを月に2〜3本買い換えねばならない、というほどの凄まじさだったそうです。通勤をもじって「痛勤」とか、当時の呼称、国電(国鉄の電車)をもじって「酷電」と揶揄されたのも理解できます。
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| 朝ラッシュ時には座席がなくなる片側6扉車 乗降時間短縮のために導入された 500人近く詰め込むことができる |
車両の床面積は、長さ20メートル x 車幅2.8メートルとして56平方メートル。
人間の占有面積は、肩幅40センチ x 厚さ30センチとして0.12平方メートル。
座席定員を知ることによって、都心のターミナル、あるいは郊外の始発駅から乗車する場合に、前から何番目に並んでいるかで座れるかどうかを判断することができます。
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| 関東大手私鉄始発駅での整列乗車風景 3列それぞれの4番目までに並べば確実に座れる |
これが大阪圏でもっともポピュラーな座席定員はほぼ同じの車長19 メートル片側3扉だと、座席定員54名/3箇所/3列=6列目、となります。
一方、新幹線や特急列車の自由席に、東京駅や新大阪駅で並ぶ場合、大抵は片側2扉の車両に一列整列乗車ですから、新幹線だと40から50番目、在来線だと30番目から35番目が座れるかどうかの境目になります。
電車の座席定員など、一見、知っていても何の得にもならなさそうな知識ですが、案外役に立つこともあるものです。
プラットホームとは、鉄道車両の乗り降りに利用するために線路際に設けられた施設を指し、一般的には「ホーム」と呼ばれています。日常的に利用するJR の電車区間や私鉄では、線路面からおよそ1.1メートル。成人の胸部に相当する高さで、その大半がコンクリートで造られています。
これによって、電車のドア床面との段差を解消し、乗客がスムーズに、かつ安全に電車を乗り降りできるというわけです。そして、駅を建設する際には、地形・線形・線路の本数・乗降客数・運転形態などのさまざまな条件により、駅ごとに線路とホームの関係が決まってきます。
今回は、その中でもっとも一般的に見られる、路線の中間に位置する駅の形状にスポットを当ててみることにしましょう。
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| 上り線と下り線それぞれに対面でホームが 設けられた「相対式ホーム」の例。 |
対向式ホームまたは対面式ホームとも呼ばれることもあり、通常は、跨線橋、地下道や構内踏切などでそれぞれのホームを行き来できるように設計されています。
構造が簡単で設計・建設には有利ですし、すでに開業している路線で途中駅を新設する場合は、上下線それぞれにホームを貼り付けるだけで良いので、線路の付替えも必要なく、運転にも支障が出にくいといった利点があります。
ところが、駅名標やベンチ、売店などの客用設備は上り・下りホームそれぞれに設置が必要で、朝は上り線だけが、夕刻〜夜間は下り線だけが混雑するというような都市圏輸送線区ならば、ホームの幅も最大値に設定せねばならず、開業後には、駅員もそれぞれに配置する必要が生じるため、意外に不経済な要因が多いのも事実です。相対式ホームは、設計・建設には利点があるが、のちの運営には費用が掛かるのが難点といえます。
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| 1本のホーム両側に、上下線が発着する 「島式ホーム」の例 |
ホームの幅は、通常の上下線の間隔よりもかなり広いスペースを要するので、駅の前後のかなり遠いところから線路間隔を広げるためのs 字曲線が必要となって用地買収上、あるいは運転上(曲線による速度制限など)の支障が生じたり、すでに開業している路線で途中駅を新設する場合は、線路の付替えが必須となり、その間の運転にも徐行など多大な悪影響が予想されます。
しかし、先述の相対式ホームとは逆に、客用設備は1つで済み、時間帯により混雑方向が異なる都市圏輸送線区でも、ホームの混雑は平均化され、開業後の駅員も相対式に比べて単純計算で半分で済むといった利点があります。島式ホームは、設計・建設には難点があるが、のちの運営には費用を節約できるのが利点といえます。
東京・大阪という日本を代表する2都市を1周する山手線と大阪環状線。東西文化、考え方の違いを何かと取り沙汰されますが、こと中間駅のホーム配置一つとってもそれが表れています。
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| 山手線の標準的な中間駅は島式ホーム(目黒) |
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| 大阪環状線の標準的な中間駅は 相対式ホーム(桜ノ宮) |
これは、一説によれば、山手線は盛土上に建設されているので、新駅を建設する際に線路の付替えが比較的容易(当時は沿線人口も少なかった)で、それほど高速運転する予定もなく、のちの運営を考えた場合、各駅のホームが1本の島式の方が有利だったこと。
対して高架線が主体の環状線は、島式だと高架の桁から作り直さねばならず、上下線それぞれにホームを貼り付けるだけの相対式の方が、総合的に考えて有利だったこととされています。
機会あれば乗り比べて確認してみてください。
相対式・島式という呼び方は、あくまでも上下線それぞれ1本ずつというのが前提でした。
それでは、2本以上の複数のホームを有する形状をどう呼ぶのか?たとえば、特急や急行などと普通・各駅停車が接続するために、上下線それぞれに本線と待避線がある場合は島式2面4線と呼びます。つまり「(基本的なホーム形状)式(ホームの本数)面(線路の本数)線」ということです。
ここでクイズを一問
日本でもっともホーム数の多い駅は何駅でしょう?
駅名と「(基本的なホーム形状)式(ホームの本数)面(線路の本数)線」を答えなさい
正解は、東京駅で島式14面28線
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| 日本でもっともホーム数の多い東京駅 電車の発着がひっきりなしで、ほとんど見通せない |
ただし、総武快速線と京葉線は地下ホームなので、一同に見通せることはできません。
実はホームの形状には、「相対式」と「島式」以外にも「単式」「千鳥式」「切欠き」「櫛形」など、多数あります。これらはまた別の機会に触れてみることにしましょう。
大都市圏に限らず、多くの鉄道路線で、「特急」「急行」「準急」「快速」などの種類を見かけます。これらを鉄道の専門用語では、「列車種別」と呼びます。
そしてたとえば、一口に「特急」といってもその性格はさまざま。JR幹線筋を高速でブッ飛ばす長距離列車、停車駅の少ない私鉄の通勤電車、豪華な設備を誇る夜行列車、そして、新幹線の各列車も「特急」の仲間に入ります。
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| 東京メトロの全駅停車列車は「名無し」。 行き先だけが表示される |
「各駅停車」あるいは「各停」=「近距離区間を結ぶ普通列車」、というイメージがありますが、新幹線の各駅停車、たとえば東海道新幹線の「こだま」、東北新幹線の「なすの」、上越新幹線の「たにがわ」などは、特別急行(特急)列車に分類され、乗車するには特急券が必要です。
これらは、新幹線は並行する在来線に対して主要駅しか駅がなく、新幹線上の各駅に停車する列車であっても、実質的には主要駅に停車する特急列車とみなされているからです。英語標記でも普通列車を表わす「Local」ではなく、新幹線を表わす「Super Express」と表示されます。
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| 「各駅停車」略して「各停」。 関東ではもっとも一般的な呼び方 |
その中には、特急列車顔負けのスピードで走る快速列車もありますが、 JRでの正式な列車種別は「普通列車」。「新快速」とか「特別快速」とは、単に旅客案内上の種別ということです。
要するに、途中駅を通過する場合であっても、特急券などの特別料金が必要なく、乗車券のみで利用できる列車が「普通列車」と考えれば間違いありません。
また、先に挙げた横浜線や京浜東北線、さらには常磐線や総武線の「各駅停車」なども、旅客案内上の種別でそのように呼んでいるだけで、正式には「普通列車」となります。そして、「青春18きっぷ」で乗ることができる列車は、この種類の列車ということになるのです。
「鈍行(どんこう)」という呼び方も、しばしば用いられます。
これはいわゆるニックネームで、正式な列車種別にも旅客案内上の呼び方にも登場することはありません。誰が名付けたのかは不明ですが、「鈍(にぶ)い」という言葉を冠していることから推察できるとおり、およそ格の高い存在を表わした言葉ではないようです。
鉄道趣味誌などでは「ドン行」と標記される場合があり、そこにはむしろ好意的な響きさえ感じられます。
しかし、いくら全駅停車するとはいえ、高加速で時速100キロで軽快に駆け抜けるシルバーボディーの電車のイメージには、いささかそぐわないような気がします。「鈍行」という名称は、蒸気機関車が現役時代の客車普通列車(専門的には客レと呼ばれます)にふさわしいように思うのですがいかがでしょうか。
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| 関西JRの行き先表示板の例。私鉄も含めた 全駅停車列車の一般的な呼称は「普通」 |
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| 関東の私鉄でも、東武の 全駅停車列車は「普通」 |
もっとも、南海高野線でこのように呼ぶのはわけがありまして、南海本線と並走する難波〜岸里玉出間の今宮戎と萩ノ茶屋は、高野線側しかホームがなく、南海本線の列車は全列車が通過します。そのため、この2駅以外のすべての駅に停車する南海本線の列車を「普通」、この2駅も含むすべての駅に停車する高野線の列車を「各駅停車」と呼び分けているのです。
一般的に、各駅停車とは、近距離区間を結ぶ全駅停車の電車と、同じ路線を走る都市部の小駅を通過する中長距離の普通列車とを区別するための旅客案内上の名称だったようです(正式名称はどちらも「普通」)。
関東の幹線では、このような運転形態が多く見られたのに対し、関西では、近距離の普通電車と中長距離の普通列車が混在する路線が東海道・山陽本線くらいで、私鉄はもちろんのこと、当時の国鉄も含めて一部例外があるものの「普通電車」=「各駅停車」であったという歴史的な経緯が、両者の呼称に影響を与えているようです。
もし、新橋駅前の広場(関東)と梅田駅前の歩道橋(関西)で、「全駅に停車する列車のことを、どのように呼ばれますか?『各駅停車?』『普通?』それとも『鈍行?』」という街角アンケートを取ったとしたら、果してどのような結果が出るのでしょうか?いつか鉄道旅行なび で試してみることにしましょう。